自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘教授らによる研究チームは8日、運動トレーニングを行った際に他人から褒められると上手に運動技能を取得できることを科学的に証明したと発表した。論文は米オンライン科学誌プロスワンに7日に掲載された。
研究チームでは成人48人を対象に、まずキーボードを一定の順番に従いできるだけ早くたたくトレーニングを実施。その後に「自分が褒められる」「他人が褒められるのを見る」「自分の成績だけをグラフで見る」の3グループに分け、翌日に同じトレーニングを行った。
すると、「自分が褒められる」グループは他のグループに比べて前日よりも成績が約20%向上した一方、他のグループは成績の伸びが13~14%にとどまった。この研究成果について定藤教授は「褒められることは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬であると言える。『褒めて伸ばす』という標語に科学的妥当性を提示するもの」としている。(オルタナ編集部)