4日公示された衆院選挙。日本未来の党の嘉田由紀子代表の第一声を聞きに来た福島県内の有権者に意見を聞いた。
川俣町から飯舘村公民館に足を運んだ女性(58)は、「今回の選挙は複雑なので政策をきちんと理解したいと思って来た」として、原発についても「本当になくなったら電気代はどうなるのか、この国がどうなるのかと考えるとまだ答えが出ない」と慎重だ。
一方で、「放射能だけでなく、日本のこれからを考えると、政治にしっかりしてもらわないと」ときっぱり望む。「足の引っ張り合いをする政党ばかりなので、何とか一つになって今の危機を乗り越えていってほしい」。
第一声の場に飯舘を選んだことについて、相馬市の避難先から仕事に行く途中に立ち寄った南相馬市出身の自営業男性(39)は「飯舘から始めるというのは福島のことをよく考えてくれているのかな。でも、選挙目当てなのかとも思う」と半信半疑だ。
飯舘村で美容院を経営していた男性(66)は福島市に避難中で、仕事は休業状態が続く。嘉田代表について、「テレビを見て頭の切れる女性だとは思った。この村の現状をよく見てほしい」と求めたが、足早に来て足早に去っていった姿を残念そうに見つめた。
南相馬市で嘉田代表の演説を聴いた同市の自営業女性(62)は、演説中に何度も大きくうなずいていた。「同い年だし、同じ女性として期待する」として、「地震国の日本に原発はいらないと、きっぱり言ってほしい。私も震災後は一時避難をして、町がゴーストタウンのようになった。ようやく人は戻ってきているけれど、子や孫のことを思うとやはり原発が一番のネックになる」と訴えた。(オルタナ編集委員=関口威人)