今から10年ほど前、新聞社を退職したばかりの筆者は、人口減少問題について、東京大学経済学部のグローバル・ビジネス・リサーチ・センター(GBRC)に記事を書いたことがあった。(赤門マネジメント・レビュー2003年4月号「2006年問題の衝撃」人口減少が招く三つの争奪戦)
その論旨は、「2006年をピークに日本の人口は減少に転じ、これが日本社会や経済の大きな足かせになる」というものだった。
実際には、2006年の後も人口の微増が続き、日本が本格的に人口減少を始めたのは2008年になった。
2008年以降現在まで、いずれの月においても、人口は前年に比べて減少し、減少率も徐々に大きくなっている。
レポートより2年遅れで、日本の人口減少が本格的に始まったわけだが、実はこのレポートには、実は、予想した通りにならなかったこともあった。
それは、日本以外の先進国の人口推移である。筆者はレポートで次のように記した。