人口減少の「バス」に乗ったのは「日本だけ」

今から10年ほど前、新聞社を退職したばかりの筆者は、人口減少問題について、東京大学経済学部のグローバル・ビジネス・リサーチ・センター(GBRC)に記事を書いたことがあった。(赤門マネジメント・レビュー2003年4月号「2006年問題の衝撃」人口減少が招く三つの争奪戦)

その論旨は、「2006年をピークに日本の人口は減少に転じ、これが日本社会や経済の大きな足かせになる」というものだった。

実際には、2006年の後も人口の微増が続き、日本が本格的に人口減少を始めたのは2008年になった。

2008年以降現在まで、いずれの月においても、人口は前年に比べて減少し、減少率も徐々に大きくなっている。

レポートより2年遅れで、日本の人口減少が本格的に始まったわけだが、実はこのレポートには、実は、予想した通りにならなかったこともあった。

それは、日本以外の先進国の人口推移である。筆者はレポートで次のように記した。

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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