昨年10月に震災がれき受け入れに抗議するデモをJR大阪駅構内で行ったとして12月9日に逮捕され、同28日に処分保留で釈放された阪南大学の下地真樹准教授が8日、取材に応じ「駅でデモなどしていない。被疑事実は全くのでたらめで不当逮捕だ」と語った。
大阪府警が下地氏にかけた主な容疑は威力業務妨害。産経新聞は逮捕当日に「デモ行進をJR大阪駅構内で無断で行い、駅側の警告に応じなかった」「(下地氏が)ハンドマイクを手に演説をしながら約40人の参加者を先導。構内を約250メートルにわたり行進」と伝えた。また、東京新聞も同21日に「駅員が再三退去するよう注意したが、聞き入れられなかった」とするJR西日本のコメントを報じている。
ところが下地氏によれば「(街頭活動を終えてから参加者が)駅構内をバラバラに移動しただけで、私は最後尾をついていくように歩いていたに過ぎない。当然、駅員が制止するようなこともなかった」という。下地氏は「駅には監視カメラが何台もあり、それらによって残された映像を見れば無実であることがはっきりするはずだ。証拠もないのに逮捕した大阪府警はとてつもなくひどい」と憤る。
今回の下地氏への逮捕をめぐっては、被疑事実が「威力業務妨害」であることから、駅を管理するJR西日本が被害届を提出したものとみられる。しかし同社は「駅構内での宣伝活動は一般的に認めていない。被害届の提出に関しては一切答えられない」(広報部)と言うのみだ。
大阪市の震災がれき受け入れへの抗議では、これまで下地氏を含め8人が逮捕。下地氏は自身が拘束される前、大阪府警に対しても抗議を行ってきた。下地氏は「取り調べでは主に警察への抗議活動について質問されたが、被疑事実に関してはほとんど聞かれなかった。刑事は震災がれき問題については全く知らない様子だった」と証言する。
下地氏は「警察による不当逮捕で萎縮するのは良くないと思っている。これからも震災がれき受け入れへの抗議を続ける」と話す。7日からは教壇にも復帰している。(オルタナ編集部=斉藤円華)