アムネスティ・インターナショナル日本は10日、昨年末に下村博文文部科学大臣が朝鮮高級学校(朝鮮学校)を高校授業料無償化制度から外すと表明したことに対して「日本政府は人権諸条約の理念と原則に基づき、ただちに朝鮮学校の無償化を実施すべき」との声明を発表した。
下村文科相は昨年12月28日の会見で、朝鮮学校について「(北朝鮮との)拉致問題の進展がなく、朝鮮総連と密接な関係にあること等から、現時点での指定には国民の理解が得られない」と述べ、高校授業料の無償化制度を適用しない方針を明らかにした。その上で無償化実施には「朝鮮学校が学校教育法第1条に定める日本の高校となるか、又は北朝鮮との国交回復が必要」との考えを示した。
これに対して声明は「日本政府は社会権規約に基づき、全ての人に教育の機会を均等に保障するという国際法上の義務を負っている」と指摘。「政治的事情に基づいて、子どもの教育に対して差別的取り扱いをすることは許されない」と国の対応を批判している。(オルタナ編集部=斉藤円華)