ドイツが核廃棄物の国外処理を認める法律を施行しようとし、波紋を呼んでいる。2011年にEU(欧州連合)が定めた指針を国内で法律化しようというもので、地理的事情などで国内で処理場が見つからない場合、他国に依頼しても良いことになっている。
核廃棄物の処理が問題となっている昨今、安全な場所を確保することは難しい。ドイツでもゴアレーベンを最終処分場とすべく準備してきたが、不適切と判断され打ち切りに。いちから処分場探しをしており、難航している。
ドイツは核廃棄物を他国に押しつけるのか、という批判を受けアンゲラ・メルケル首相やペーター・アルトマイヤー環境大臣は「自国で処理すべきで、輸出はありえない」との立場を表明している。しかしEUの指針は、ドイツの賛同を得て可決されたもの。EUの議会で賛成しておきながら、自国民には別の説明をするとはおかしいとの声も上がっており、将来輸出されるのではないかと危惧する声が高い。(オルタナ編集部=独ハノーバー・田口理穂)