
フェアトレードやオーガニック素材などを使用する「エシカル(倫理的な)ファッション」が注目を集めるなか、「ピープル・ツリー」を展開するフェアトレードカンパニーのサフィア・ミニー代表とファッションジャーナリストの生駒芳子さんによる対談が「JFW インターナショナル・ファッション・フェア」で行われた。
■ 2013年はザンドラ・ローズとコラボ
生駒さんがピープル・ツリーに出合ったのは、マリ・クレールの編集長を務めていた2006年ごろ。それまでのフェアトレードやオーガニックに対する地味な印象ががらりと変わり、時代の変化を感じたという。
ピープル・ツリーは近年、エマ・ワトソンやツモリ・チサト、オーラ・カイリーなど有名デザイナーやセレブリティとのコラボレーションに力を入れている。2013―14年秋冬シーズンでは、英国出身の世界的デザイナー、ザンドラ・ローズとのコレクションを発表する予定だ。
生駒さんは「フェアトレードファッションはよりファッショナブルに進化している。エシカルを21世紀に必要な政策ビジョンの一つに掲げ、政府、メディア、教育機関が一体となって『エシカルシフト』を進めていかなければ」と話す。
■ 生産者支える「50%前払い」に苦労も
一方、社会起業家として著名なサフィア代表だが、「50%の前払いを保証しながら経営するのは大変」と打ち明ける。ピープル・ツリーの商品は、東南アジアを中心に12カ国で製造されており、生産者団体への発注時に半額を前払いしている。
これは材料の購入や賃金の支払いに充ててもらうためだ。サフィア代表は「私たちは生産者の生活を直接支えている。きちんと賃金を支払い、子どもたちに教育の機会を与えられれば、未来につながっていく」と力を込める。
2012年夏に、サフィア代表と生駒さんはネパールの生産現場を訪問した。生駒さんは、「自分が着ている洋服の生産現場を見る貴重な機会だった。『買う』という行為が、貧しい生産者にどれだけ大きな影響を与えるかを実感し、フェアトレードの大切さを再認識した」と言う。
さらに、「日本も不景気で大変だと言うが、途上国とはレベルが違う。エシカルシフトを進めるには、大企業も動かなければいけない」と続けた。(オルタナ編集部=吉田広子)