大型連休初日の27日、東京と埼玉を結ぶ西武線の沿線各所で脱原発キャンペーン「反原発西武線100☆駅アクション」が行われた。同キャンペーンは西武線沿線の住民らでつくる「反原発西武線沿線連合(反西連)」が呼びかけたもので、西武線92駅の内、合計85か所で市民が同時多発的に「原発いらない」と声を上げた。
■「廃線提案」渦中の駅でも
同日午後1時、西武多摩川線新小金井駅前に市民数人が集まり、「100☆駅アクション」チラシの配布やマイクを使ったリレートークを始めた。
同駅前での行動を呼びかけたのは小金井市に住む福祉作業所職員の坂井えつ子さん(32)。坂井さんは3・11の後、市民が食品の放射能を測定する「小金井市放射能測定室」の運営に関わり、今年3月の市議選では落選したものの、脱原発を訴えて選挙を戦った。
今回の行動を知り、市内の友人らにメールで参加を呼び掛けた坂井さん。「都心の大規模なデモに集まることも必要だが、生活の基盤がある地元から行動を起こすのも大事。西武線沿線の人たちが同時に声を上げているのが心強い」と話す。
多摩川線は、西武ホールディングスの筆頭株主である米投資会社サーベラスが廃止提案したとされる路線の1つ。休日で乗降客も少なく、参加者から「人通りが少なくてさみしい」との声も上がる中、1時間で90枚ほどのチラシを配った。
■沿線各地に口コミで広まる
同日にはこの他、豊島園駅前で原発についてのシール投票や、サンバ楽団が各駅を巡回して演奏でキャンペーンを盛り上げるなどの行動が行われた。
同キャンペーンの準備会議には、西武線沿線各地の市民や団体らが口コミで集まってきたという。西武秩父駅での行動は地元グループにフェイスブック経由で呼びかけた。今回参加した練馬区の女性は「同じ時間に合わせて、それぞれの地域で各自が自主性を生かした取り組みを行うことで『連帯の可視化』ができたのではないか」と話している。(オルタナ編集委員=斉藤円華)