EUは4月29日、ネオニコチノイド系農薬3物質のモラトリアム(一時使用禁止)提案に関する欧州委員会の議決結果を発表した。
提案はクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種について今後2年間の使用を制限するなどの内容で、15ヵ国が賛成する一方、8ヵ国が反対し、4ヵ国が棄権した。
採択の要件を満たせなかったため、提案の決定は欧州委員会に委ねられるが、今年12月からの一時使用禁止は濃厚な情勢だ。
提案はネオニコチノイド系3物質について、一部の例外を除いて種子処理、土壌への使用、植物や穀物への散布を禁止するもので、適用は2013年12月1日から。また、同物質に関する新たな知見が得られ次第、欧州委員会は使用承認についての再検討を行うとしている。
ネオニコチノイド系農薬は以前からハチの大量死との関連を疑われており、今回の提案はEUの専門機関「欧州食品安全機関(EFSA)」が今年1月、報告書で「ハチへの危険性が認められる」と指摘したことを受けたもの。日本でも金沢大学の山田敏郎教授らの研究チームが「ネオニコチノイド系農薬がミツバチ大量死と強い相関関係がある」とする論文を発表している。(オルタナ編集委員=斉藤円華)