2013年の春休み、福島県南相馬市の中学生12人が「持続可能な社会から学ぶ」をテーマに、オーストラリアのメルボルンでホームステイを体験した。大自然のなかで英語や環境教育を学びつつ、オーストラリア初の市民風車などを訪ねた。この「福島子どもプロジェクトinオーストラリア」は、3月23日から4月1日までの10日間にわたって実施された。
主催したNGOピースボート(東京・新宿)は、放射能の影響により屋外で十分に遊べない子どもたちに自然に触れてもらいながら、持続可能な取り組みを続ける人たちと交流し、学んだことをこれからの日本の未来に活かしてほしいと企画した。
印象的な訪問地となったのは、オーストラリアで初めて市民の力で建設した風力発電機だ。ヘップバーンウインドという協同組合が管理するこの風車は、2基あわせて4.1メガワットの出力があり、地域の2000世帯の電力をまかなっている。
オーストラリア政府は、決して自然エネルギーに熱心というわけではない。しかしそのような国でも、地域の人々の力で自分たちのための発電所をつくったということが、世界的にも評価されている。
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