北米の寒冷地で、自転車を取り巻く事情に異変が起きている。これまでオフシーズンだった真冬に、スポーツや通勤用に自転車に乗る人が増えているというのだ。本誌連載「東京ポタリング」を執筆する自転車ジャーナリストの山本修二氏が、冬の北米自転車市場をレポートする。

2012年8月にドイツで開催された世界最大の自転車トレードショー「ユーロ―バイク」で、寒冷地専用のスポーツサイクルシューズがアワードを取った。それは、気温がマイナス10度以下でも快適に走れるように徹底した防寒対策を施したもの。アメリカ・ミネソタ州に本拠地を置く、冬のサイクリング用品だけを販売する「45NRTH」というブランドが開発した。