また今年3月に行われた、低線量被ばくへの対策をめぐり専門家や市民らと意見交換を行うセミナーに参加した後には「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席。不思議と反発は感じない。感じるのは相手の知性の欠除に対する哀れみのみ」と書き込み、出席者らを中傷した。
かつて「苦労しながらも国民のために新たな制度を構築している」と自らの仕事を自負した水野氏。ツイッターでは国民を見下すような発言を続けたが、これが官僚としての氏の本音ということか。
そうした視点で氏の寄稿文を読み直すと、例えば「100年後、いや200年後の人たちもこの法律を読み、この制度に従っているかもしれません。このように法律を作るという世紀を超える仕事ができるのが公務員の醍醐味」などというくだりは、国民というよりは官僚の目線で書かれていることがわかる。
そして水野氏が昨年末に書き込んだ「官僚組織は、大臣が無能であれば徹底的に指示を骨抜きにするが、有能であれば盛り立てる」というつぶやきは、水野氏ら官僚のエリート意識を端的に示しているだろう。しかし、ここから例えば福島の原発事故被災者への共感を汲み取るのは困難だ。
水野氏が「左翼のクソども」と毒づいた件のセミナーでは、福島県双葉町の井戸川克隆元町長も参加。水野氏ら国側の説明を聞いた同氏は「一体公務員は誰のために働いているのか。公務員は国民のために働くという大前提のもとに職場を与えられているはずだ」と語り、国の対応を批判した。
水野氏への処分について復興庁は13日、「事実関係を調べているところだ」とだけ答えた。(オルタナ編集委員=斉藤円華)