CSRコラム)プロ野球統一球問題を「ソフト・ロー」の観点から考える

プロ野球の統一球問題が世間を騒がせています。統一球を、昨年と比べて飛ぶように調整していたにもかかわらず、公表していなかった件です。

日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナーは6月12日の記者会見では「昨日までまったく知りませんでした。不祥事ではないと思う。もし私がその事実を知っていれば、公表していた」と開き直りました。

ところが翌々日の14日には再び記者会見を開き、「ファン、選手、関係者に迷惑を掛けたことは大変な失態だった。反省している」と前々日から一転、低姿勢になりました。

真相は第三者委員会で明らかにされるとのことですが、昨日、楽天球団の田中将大投手が「(飛ぶボールには)昨シーズン後半から変わっていたのではないか」と話すなど、さらに飛び火する様相を強めています。

大相撲、柔道、プロ野球と日本のプロスポーツでは最近スキャンダルが絶えず、日ごろの危機管理がおざなりにされていたことが浮き彫りになりました。ここで改めて考えなければならないのは、「ソフト・ロー」(Soft Law)の視点です。

森 摂(オルタナ編集長)

森 摂(オルタナ編集長)

株式会社オルタナ代表取締役社長・「オルタナ」編集長 武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授。大阪星光学院高校、東京外国語大学スペイン語学科を卒業後、日本経済新聞社入社。編集局流通経済部などを経て 1998年-2001年ロサンゼルス支局長。2006年9月、株式会社オルタナを設立、現在に至る。主な著書に『未来に選ばれる会社-CSRから始まるソーシャル・ブランディング』(学芸出版社、2015年)、『ブランドのDNA』(日経ビジネス、片平秀貴・元東京大学教授と共著、2005年)など。環境省「グッドライフアワード」実行委員、環境省「地域循環共生圏づくりプラットフォーム有識者会議」委員、一般社団法人CSR経営者フォーラム代表理事、日本自動車会議「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」選考委員ほか。

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