福島県二本松市の農家が集まってワインの生産会社を立ち上げ、7月31日に本社・工場に市長ら関係者や報道陣など約60人を招いて披露会を開いた。(オルタナ編集長=森 摂)
この会社は「ふくしま農家の夢ワイン株式会社」(斉藤誠治社長)。斉藤さんは、「原発事故の後、福島の農家は大変な状況だが、おいしいワインをたくさん作って、地域を活性化したい」とあいさつした。
新会社は昨年9月、二本松市内の農家8人が共同出資して設立した。周辺は元々養蚕業が盛んなところだったが、この数十年で養蚕業がすたれ、クワ畑も荒れてしまった。
こうした遊休農地や耕作放棄地を利用して4ヘクタールの農地でヤマブドウなどの苗を植えた。「人がつながるブドウ作り」を目指して、農地と地元コミュニティがつながるワイン作りが始まった。社員たちは山梨県勝沼町や山形県を訪れ、ブドウ栽培や醸造法なども勉強した。
ワイン工場は、昔のカイコ棚の母屋を利用して施設を作り、醸造設備も入れ、今年3月にワインの製造免許も取得した。今年10月から赤ワインを製造するが、その前に地元産のリンゴ(ふじ)を使ったシードルを製造し、この日、報道陣らに披露した。