全国的な猛暑日となった8月10日、小田原で町づくりなどを担う地元企業や民間団体、学生らのボランティアが「100年前の郷土の小水力発電所を復活させたい」との思いで、土木作業を行った。長く放置されてきた大正時代の小水力発電に、いま注目が集まっている。(ノンフィクションライター・高橋真樹)
大正時代に作られた小水力発電の跡地があるのは、小田原駅から車で10分程の距離にある小田原市久野の山林。この日集まったのは、山林を所有する辻村百樹さんのほか、小田原地域をベースに自然エネルギー事業を立ち上げたほうとくエネルギー(神奈川県小田原市)、その母体となった小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会、地域おこしを行う小田原藩龍馬会のメンバー、関東学院大学小田原キャンパスの学生ら約30人だ。
小水力発電の発電機が設置されていた深さ2メートル以上の窪地から、チェーンソーなどで伐採した樹木などを手作業で運び出し、雑然としていた跡地を再利用できるよう整備した。
炎天下で重い切り株を運び上げていた、ほうとくエネルギーの蓑宮武夫社長は言う。「この立派な遺構に感動しました。まもなく建造から100年になるので、それまでに復活させたいと思い、町おこしをやっている人たちに呼びかけました」
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