皆さんは「コモンビート」の名前を聞いたことがありますか。
2003年、日本で生まれた、ミュージカルのムーブメントです。元は、ピースボートの船上で英語を学ぶプログラムとして、米国の教育NPO「Up with People」の作品「A COMMON BEAT(ア・コモンビート)」を上演したのがきっかけです。
これを陸上でも上演しようと中島康滋さん、韓朱仙さんら数人の若者が立ち上がりました。当初は英語での上演でしたが、その後、日本語に変わりました。
1回の公演のキャストは100人。これを全員、公募で集めた素人役者が演じるのです(舞台監督だけはプロ)。彼らは100日間の練習を経て、舞台に立ちます。
これだけ書くと、素人芸の集団かと誤解される方も少なくないでしょう。私も8月23日夜の東京公演を見に行き、90分にわたる舞台は、歌も踊りもとても質が高かったことに感銘を受けました。
今回の東京公演では、定員2000席のホールが3公演、すべて満席になりました。その動員力にも驚かされます。設立以来の10年で約3000人のキャストがステージに立ち、これまで東京、愛知、大阪、兵庫、福岡で約10万人の観客が訪れました。東日本大震災被災地の石巻でも今年1月、公演を行いました。