
7日にブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の総会で、2020年の夏季五輪の開催地が東京に決まった。総会で安倍首相が「(東電原発事故の)汚染水の影響は福島第一原発の港湾内で完全にブロックされている」などと述べたことに対して、福島では事故の収束と汚染水の流出防止を求める声が相次いだ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■県漁連「海洋流出防止は国際公約」
自民党福島県連の担当者は、安倍首相の発言に関して「汚染水問題とオリンピック招致とを絡めて県連内で議論したことはない」とした上で「県連としては、全面的に事故収束のための対策を講じることと、風評被害の拡大防止を国に求めている」と話した。
福島県漁業協同組合連合会(いわき市)の野崎哲会長は「汚染水の海洋流出自体は深刻だが、首相が事故収束と海洋流出の防止を明言したことを、国際公約として前向きに受け止め、期待したい。国には事故対策の継続を願う」と述べた。
いわき市議会の佐藤和良議員は「一国の総理として認識がずれている。原発事故は現実にはコントロールされておらず、暴言だ」と安倍首相を批判。「言ったことは我が身にはね返る。漏れている汚染水を回収し、漏らさないよう対策するしかない」と語った。