城南信用金庫が発電事業に参入することが19日、明らかになった。取引先が所有するビルや工場の屋根を借り、城南信金の関連会社が太陽光発電する。早ければ来年度にも第一号の発電案件がスタートする見込みだ。金融機関が自ら発電事業に参入するのは極めて珍しい。
同信金は「脱原発」を表明しており、今回の「城南電力」構想も地域に自然エネルギーの重要性を発信していくのが狙いだ。
城南信用金庫は、このほど関連会社である、みなみ商事(本社・品川区)の定款に発電事業を加えた。この子会社が今後、東京・品川区や世田谷区など、城南信金の営業区域内にあるビルや工場などから屋根を借り、太陽光パネルを設置する。
城南信金は、太陽光パネル設置費用を関連会社に融資し、関連会社は発電した電気を自然エネルギーの固定価格買取制度の枠組みで電力会社に販売する。関連会社はその代金を城南信金に返済していく仕組みだ。
一連の枠組みは「城南電力」(仮称)と命名し、今後、詳細を詰めていく。発電目標は未定だが、発電による収益事業としてだけでなく、金融機関として取引先や住民に自然エネルギーの重要性を周知していく狙いもある。
城南信用金庫は、2011年3月に発生した原発事故の直後に吉原毅理事長が「脱原発」を表明し、自然エネルギーへの転換や節電を呼びかけている。