業界初、リヤカー連結式の電動アシスト三輪車

電動アシスト自転車にはバッテリーが内蔵されていて、最大走行距離は33キロメートルになる

ヤマハ発動機は24日、電動アシスト自転車業界で初になる3輪の電動アシスト自転車と脱着式リヤカーを組み合わせた配送業務専用モデル「PAS GEAR CARGO(パス・ギア・カーゴ)」を発表した。法人向けの製品で、配送業者が導入することで排出ガス削減や都市部の渋滞問題の解決などが期待される。すでにヤマト運輸での導入が決まり、日本郵便でも検討されている。(オルタナ編集部)

パス・ギア・カーゴは、3輪の電動アシスト自転車と4輪のリヤカーを連結したもので、連結時にはリヤカーの前輪が持ち上がり、5輪のリヤカー付き自転車になる。最大積載重量はそれぞれ、自転車のフロントバスケット3キログラムとリアキャリア20キログラム、リヤカーの100キログラムの計123キログラムだ。

開発にはヤマト運輸が協力した。着脱式のリヤカーの採用によって、荷物を積み込む時間の短縮が実現。リヤカーのけん引には、通常の運転とは異なる運転知識や習熟が必要であるが、パス・ギア・カーゴは連結箇所の低重心化やスイング可能な車体で、操縦の安定性が向上されている。

軽車両に分類されるため自動車免許が必要なく、雇用の幅の拡大も見込まれる。駐車可能な場所も普通車両と比べ、制限されることも少なく、配達先まで徒歩で運ぶ距離も短くなる。

近年、配送業界では、環境意識の高まりや排出ガス削減への取り組みとして、自転車や手押しの台車による配送が増加している。しかし、人力ゆえに業務に従事する人の負担と効率の問題があった。電動アシスト自転車が配送に導入されることで、業務の負荷低減が実現し、低炭素社会促進に貢献することが狙いだ。

パス・ギア・カーゴは法人向けとして11月1日から販売される。基本価格は1台約50万円。各社に合わせたカスタマイズで値段が前後する。ヤマハ発動機は日本国内で年間500台の販売台数を見込んでいる。欧州での販売も視野に入れている。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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