「会津地方の豊かな自然エネルギーを活用し、地域の自立を目指す」と宣言して、福島県会津地域の市民が「会津電力株式会社」(AiPOWER)を設立した。10月25日に会津若松市で記者会見を行った。(ノンフィクションライター・高橋真樹)
福島第一原発事故の影響で、厳しい状況にさらされた福島県民。その中から、国や東京電力を批判するだけでなく、自分たちに何かできないかという話し合いが幾度も持たれてきた。
放射能による被害が比較的少なかった会津地域では、会社経営者らが中心となり、原発に頼らない社会を目指す「会津自然エネルギー機構」を立ち上げた。勉強会や自然エネルギー事業の具体化に向けた相談を進め、2013年8月、会津電力が設立した。
会津電力社長に就任した佐藤弥右衛門さん(喜多方市・大和川酒造社長)は、東京と福島の食やエネルギーをめぐる植民地的な関係を変えていきたいと語る。
「会津はエネルギー自給率が500 %以上あるのに、今まではそれが全部東京に持って行かれていた。会津電力の取り組みを通して、地方が自立する足がかりをつくり、中央と地方の関係を新しくつくり直したい」
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