「エネルギー基本計画案は、原発への依存度を下げるという自民党の公約に逆らう」。自民党の河野太郎衆院議員は15日、都内で開かれた「脱原発をめざす首長会議」が主催する勉強会で講演し、原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付ける新たなエネルギー基本計画案を批判した。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■「フクシマが無かったかのよう」
13日に国が示したエネルギー基本計画案では原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付け、原子力規制委員会が安全を確認した原発については再稼働させる方針だ。また、実現の見通しが立たない核燃料サイクルについても「着実に推進する」としている。政府は17日、新たなエネルギー基本計画を来年1月に閣議決定する方針を確認した。
河野氏は同案について「見るも無残。東京電力福島第一原発事故など無かったかのようだ」と痛烈に批判。
そして「原発への依存度を下げていく、というのが自民党の公約であり政策だ。エネルギー基本計画案はこれに全く逆らっている。仮に原発が再稼働しても核燃料を保管するプールは満杯になり、10年で行き詰まる」と述べた上で「原発を動かさないと電気が不足する、というのはウソ。中小企業が海外移転するとも言われたが、その理由は電力とは無関係」「火力発電の焚き増しで3.6兆円の国富が流出するという経産省の主張は、間違った前提の試算でしかない。天然ガスの価格上昇に加えてどれだけ焚き増しがあったかを国はデータで示すべきだ」などと指摘した。
また、同案が核燃料サイクルを「着実に推進する」としたことに対しては「既に破たんしている。本来、高速増殖炉は1980年代後半に出来ているはず。ところが50年の歳月と莫大な費用をかけても実現の見通しが立たない」と反論。