政府は、来年1月にも閣議決定する方針の新たなエネルギー基本計画案について、国民からの意見募集(パブリックコメント)を年明けの1月6日まで受け付けている。同案は原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付け、民主党政権が打ち出した「原発ゼロ」からの方針転換を図った。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
2012年に民主党政権がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」では、30年代の原発稼働ゼロの実現を目指し、原発の新増設も行わないとしたが、新たなエネルギー基本計画案ではこれらを撤回。火力発電の焚き増しが国富流出につながる、温暖化対策に有効、などの理由で原発を「基盤となる重要なベース電源」と定義した。また、実現の見通しが不透明な核燃料サイクルについても「着実に推進」するとしている。
他方で同案は、使用済み核燃料の貯蔵について「発電所の敷地内外を問わず、新たな地点の可能性を幅広く検討」するとの文言が盛り込まれ、電力消費地での貯蔵の可能性にも含みを持たせた。