200万人を超えるシリア難民は、トルコをはじめ近隣諸国に逃れている。だが、急激な増加による受け入れ過多が起こり、支援物資が行き届いていないのが現状だ。こうしたなか、東北の被災地に集まった防寒具を厳しい冬を過ごすシリア難民に届ける「こごさいるでばプロジェクト」が立ち上がった。支援物資の提供は15日まで受け付けている。(オルタナ副編集長=吉田広子)
「こごさいるでばプロジェクト」は、東日本大震災発生時の緊急支援で集められたものの、使われずに倉庫で眠っている大量の防寒具や毛布をシリア難民に届ける取り組みだ。
「こごさいるでば」は、宮城・気仙地域の言葉で「ここにいます」の意味。米国のNPO団体に所属し、東北の被災地支援に携わってきた佐藤麻衣子さんが立ち上げた。
佐藤さんは、「台風や洪水など世界で災害が起こるたびに、被災者の方たちからはいつも、『何か恩返しがしたい』という声を聞いていた。東北の被災者とシリア難民をつなげる『きっかけ』をつくりたかった」と話す。
岩手県釜石市、陸前高田市、宮城県気仙沼市、仙台市など各地から物資が集められ、被災者らによる仕分け作業が行なわれた。すでに約1400個の物資が集まったという。
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