国際コンサルティング事業を展開するアイ・シー・ネット(さいたま市)はこのほど、「40億人のためのビジネスアイデアコンテスト」の最終審査会を開催した。「40億人」とは、年収3000ドル以下で暮らす貧困層の総数である。彼らが抱える課題を、従来型の「国際支援」でなく、「ビジネス」を通じて解決することがコンテストの目的だ。最優秀賞を受賞したのは、池田尚子さんの「低所得者でも通える音楽教室をカンボジアにつくる」というプランだ。(ライター・瀬戸義章)
アイ・シー・ネットは、世界100カ国以上で開発プロジェクトを実施した経験を持つ。その活動は、保健衛生の啓蒙、教師や行政官の育成、漁民と連携した水産資源の維持管理など、多岐にわたる。
開発プロジェクトを進める中で、支援だけでは捉えきれない課題やニーズがあると感じたことが、コンテスト開催のきっかけになった。単にアイデアを発表するだけでなく、実際に国際社会へインパクトを与えることをゴールとするため、最優秀賞を受賞したアイデアは、同社が実際に事業化する。
コンテストには、会社員や主婦・学生といった多様な層から161件の応募があった。日本だけでなく、中国やガーナなど、国外からも提案があったという。
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