編集長コラム) 「フォアグラ」はコンプライアンスの問題

ファミリーマートはこの1月24日、ハンバーグにペースト状のフォアグラを載せた弁当の発売を中止すると発表しました。1月10日にホームページで商品を公表したところ、カモに強制的に餌を食べさせるフォアグラの生産方法を問題視する意見が寄せられたそうです。

同じ24日には、キリンは缶チューハイ「本搾り」のCMを中止しました。タキシードを着たカエルのキャラクターが出ている内容で、消費者やアルコール問題に取り組んでいる団体から、未成年の飲酒を誘発するCMだとクレームがあったとのことです。

一方で、今回の販売中止やCM中止を疑問視する声も多く出ました。フジテレビの番組によると、「1000人に聞いたところ、フォアグラ弁当の販売中止は必要なしが62.7%、キリンCMについても81.9%の人が中止にしなくてもよかったという回答だった」とのことです。

フォアグラを巡っては、2012年7月1日から米カリフォルニア州で販売と飲食店での提供が州法で禁止され、話題になりました。英小売大手のマークス&スペンサーや英アマゾンでも販売を中止しています。

フォアグラの残酷な飼育方法は世界的には広く知られており、「ユーチューブ」にもアップされています。(動画はこちら これを見れば、多くの人は納得することと思います。

それでもフォアグラを食べたい、という個人の主義主張にまで立ち入るつもりはありません。また、この種の問題は「かわいそう」「そうではない」という感情論や文明論だけでもなかなか解決はしません。

企業人としてはむしろ、企業にとってのCSRやコンプライアンスの観点からこの問題を見つめ直すべきだと考えています。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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