東京証券取引所と経済産業省は、「なでしこ銘柄」として女性活躍推進に優れた企業26社を選定した。3月3日には、「ダイバーシティ経営企業100選表彰式」、「なでしこ銘柄発表会」が東京・霞が関で開催された。東レ、旭硝子、住友金属鉱山など7社は、2年連続で選定されている。(オルタナ編集部=松島香織)
「なでしこ銘柄」は、個人が上場会社に関心を持ち、投資のきっかけとなるような魅力ある企業を選定・紹介するテーマ銘柄の一つだ。各社の取り組みを加速させ、日本経済を活性化させることも狙いとしている。
過去には「ESG」「特許価値」「アナリスト・レポート」があり、「なでしこ銘柄」は今年度で2回目となる。
「なでしこ銘柄」では、女性が働き続けるための環境を整備していること、女性人材の活用を積極的に進めていることなどが評価される。昨年度に選定された銘柄数は17社、今年度は26社で9社増えた。
日本取引所グループ総合企画部調査グループ長の松尾琢己氏によると、「日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)の人気にあやかり、昨年度発表の反響は大きく、東証では倍の取引効果があった」という。
選定方法は、東洋経済新報社の「CSR企業総覧」や、証券取引所に提出する「コーポレートガバナンスに関する報告書」等の開示データを使用し、女性の活躍状況に関する項目をスコアリング、さらにROE(株主資本利益率)の財務指標によるスクリーニングを行っている。
ランキングではなくベスト・イン・クラスで、33業種の中からそれぞれ選定した。また、評価プロセスの透明性を高めるため、本年度は新たに「『なでしこ銘柄』選定基準検討委員会」を設置し、具体的な評価基準を決定、事前に公表していた。