国際環境NGOグリーンピース・ジャパンが、未来に水産資源を残すために、スマホ用アプリを初めて開発した。魚売り場で魚種名から検索して、その持続可能性を確認しながら買い物ができる。「グリーンお買い物ガイド」第1弾の「お魚編」として、無料配信している。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)
2013年12 月にアンドロイド版を、2014年1月にアイフォン版をリリースした。現在登録されているのは、マグロ、ウナギ、サバ、ブリなど18 種類の天然魚。一般名称や調理方法で検索すると、資源状態が表示される。
資源状態は、水産庁による資源評価や、資源管理を行う国際機関によるレポートに基づいている。それぞれの魚に、「魚の数」と「資源管理」の状態を表すマークが表示される。
マークは信号機と同じ3色で、赤は危機的、黄色は要注意、緑は持続可能であることを示し、消費者に緑マークの購入、つまり「グリーン購入」を促す。
しかし、魚の数と資源管理の緑マークがそろう魚は一つもない。グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当の花岡和佳男氏は「残念ながら資源管理が不十分なため、現状ではダブル緑マークは皆無。緑と黄色のマークが付いた魚なら、どちらかと言えば、資源量(魚の数)の色に注目してほしい。赤マークが付いている魚は避けてほしい」と話す。
「お店検索」では、イオン、イトーヨーカドー、ユニー、ダイエー、西友の各店舗アクセスや、各社の魚介類商品に対する姿勢が閲覧できる。グリーンピース・ジャパンが過去3回実施した「お魚・スーパーマーケットランキング」で対象となった5社である。
その他の、持続可能な漁業に意識の高いスーパーやレストランについては、「お店投稿」画面で、利用者からの情報提供を募っている。
花岡氏は「食べ続ければ需要が生まれ、乱獲は止まらない。買い物ひとつひとつは小さくても、集まれば大きな力になる」と語った。