
子どもと保育をテーマにしたドキュメンタリー映画「こどもこそミライ」(筒井勝彦監督)の上映が4月5日、アップリンク(東京・渋谷)で始まった。子どもたちだけの徹底した話し合いの場を設けるなど、3つの保育施設のユニークな取り組みを取材した本作品は、日本の画一的な幼児教育に警鐘を鳴らす。昨年11月の公開以来、勉強会や企業主催の上映会を経て劇場公開が決まるなど、全国的な広がりを見せている。(オルタナ編集部=松島香織)
子どもたちだけでその日にあったことを話し合う保育施設「りんごの木」(横浜市都筑区)。喧嘩の内容を整理しようとする保育士に、ある女の子は泣きじゃくりながら「大人たちにどんどん話を進めてほしくない」と抗議する。
野原や山林で好きなように遊びながら学べる「森のようちえんピッコロ」(山梨県北杜市)の子どもたちは、生き物が死んだらどこに行くのかを日常的に話し合っている。
ハンディキャップのある、なしに関係なく一緒に学ぶ「インクルーシブ保育」を実践している「保育所聖愛園」(大阪市東淀川区)では、子どもたちがお互いを励まし合いながら雨の中登山をし、登りきった達成感を味わう。
こうしたありのままの子どもたちの姿を大切にする3つの保育施設では、大人たちは未来を担う子どもたちに本当に必要なものは何かを考えさせられる。
上映するアップリンクの桑原広延さんは、「ただ大人たちが子どもを見守っているのではなく、緊張感のある面白い作品だと思った。入園式などがある4月に上映する意義は大きい」と話している。
アップリンクでの公開は5月2日まで。同じく幼児教育をテーマにした筒井監督の短編映画「屋敷林の手入れと子どもたち(中瀬幼稚園)」と「わこう村 和光保育園の子どもたち」の2本が同時上映となる。
アップリンクでの上映のほか、静岡、長野、大阪などでの公開が決定している。詳細は「こどもこそミライ」公式サイト まで。
◆「こどもこそミライ」公式サイト http://kodomokosomirai.com/
◆ UPLINK http://www.uplink.co.jp/