「Jリーグの後援のもと、日本人選手が難民キャンプでサッカー指導」。難民支援などを行うシャンティ国際ボランティア会(SVA)は19日と20日、タイ国境のミャンマー難民キャンプで「サッカーフェスティバル」を行う。19日の「世界難民の日」に合わせて行われるもので、タイの日本大使館とJリーグが後援する。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■ミャンマー難民、タイ国境に12万人
ミャンマーでは軍事政権と国内少数民族との紛争により、隣国タイの国境地域に住民が流出。現在、ミャンマーからの難民約12万人が9つのキャンプで暮らす。
サッカーフェスティバルはそのうちの一つ、1万3千人が暮らすウンピアム難民キャンプで開催。Jリーグが推薦した、元ジュビロ磐田選手の本田慎之介氏がサッカー指導を行う。本田氏は福島市出身で、2012年からタイのプレミアリーグに移籍し昨年まで現役。現在もバンコクで生活し、サッカー教室のコーチを務める。
■「日本人の関心高めたい」
フェスティバルは一昨年から毎年開かれ、今回初めてJリーグの正式後援を得た。難民キャンプの子どもたちを対象にサッカー教室や交流試合、サッカー絵本の読み聞かせが企画されている。
SVA広報担当の鎌倉幸子氏は「子どもたちはキャンプの外に出られないので、ボール1つでできるサッカーは人気が高い。サッカー指導や絵本の読み聞かせなどを通じて、将来への夢を育てる機会にしたい」と話す。
日本人の関心を難民問題に向けることも、フェスティバルの重要な目的だ。「ワールドカップの開催とも重なる今回、元Jリーグ選手が難民キャンプでサッカーを教えていることをきっかけに、難民について関心を高めてもらえたら」と鎌倉氏は期待を込める。
サッカーフェスティバルの模様は後日、本田氏のブログ等でも紹介される予定という。