全国およそ430万件(今年5月度平均)の不動産物件情報を持つ、国内最大級の不動産・住宅情報サイト「HOME’S」(ホームズ)。このサイトを運営するネクスト(東京・港区)は、4月11日から視覚障がいを持つ人の住まい探しをサポートするiPhone用の無料アプリ「HOME’Sアクセシビリティ対応版」をリリースし、6月26日現在までにおよそ400ダウンロードを記録した。(フリーライター・今一生)
視覚障がいを持つ人が自分で住まい探せるようサポートする、賃貸物件検索アプリで、iPhoneのアクセシビリティ機能「VoiceOver」を活用し、物件検索から不動産会社への問い合わせまでをアプリ内で行えるほか、弱視の人でも文字サイズを大きくして利用できる。
本アプリは東京都盲人福祉協会、日本盲人会連合に協力を仰ぎ、障がいを持つ人に試作段階のアプリを実際に使ってもらいながら開発。東京都盲人福祉協会のサイトでは、このアプリのリリースを広報している。
ネクストの経営推進部コーポレートコミュニケーショングループの山岡早穂氏によると、「視覚障がいを持つ方の多くはスクリーンリーダーというコンピュータの画面読み上げソフトウェアを利用され、サイト上の情報を取得されています」と言う。
開発の過程では、障がいを持つ当事者からの要望を聞き、機能に反映させた開発担当の池田和洋氏は次のように説明する。
「通常のHOME’Sアプリでは、地域の表示順を最もユーザーが多い首都圏をトップにし、その後に北海道、東北と表示しています。しかし、『一般的な日本地図通りでないとわかりづらい』と指摘いただき、アクセシビリティ対応版では、北海道、東北と北から順に表示するよう変更しました」
「また、トップページに戻る操作をわかりやすくするため、『検索トップ』というボタンをすべてのページの左上に表示しています。さらに、『音声だけではそれぞれのページでどのような操作を行えばいいのかがすぐにわからない』と指摘をいただき、すべてのページの右上に『使い方』というボタンを設けました。タップすると、その画面の利用方法を解説します」
アプリは、それがどんなに便利でも、障がいのある人にとってリリースされていることに気付きにくいという課題がある。医療・福祉・教育の関係者から当事者にこうした便利なアプリを知らせる仕組みが必要だ。
◆iPhoneアプリ「HOME’S(ホームズ) アクセシビリティ対応版」
https://itunes.apple.com/jp/app/homes-homuzu-akuseshibiriti/id847399857