化粧品の動物実験廃止に向け、中国政府が規制改正

Be Cruelty-Free (動物に苦痛を与えない)チャイナの取り組み
Be Cruelty-Free (動物に苦痛を与えない)チャイナのキャンペーン

国際動物保護NGOヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(HSI)はこのほど、6月30日から、中国国内で製造販売される一般化粧品の動物実験が必要要件ではなくなったことを発表した。(オルタナ副編集長=吉田広子)

HSI北京チームと中国国内のパートナー団体は2年ほど前から、化粧品の動物実験廃止を訴える「Be Cruelty-Free(動物に苦痛を与えない)チャイナ」を展開してきた。

HSIによると、毎年、中国では10万~30万匹のウサギ、モルモット、マウスなどの動物が化粧品の動物実験に使われていると推測されている。

6月30日以降、中国における化粧品の動物実験は次のように変わった。

1)海外から輸入された一般化粧品(※1)――動物実験が変わらず必要
2)国内で製造された一般化粧品――動物実験は法的要件ではなくなる
3)特殊用途化粧品(※2)(海外から輸入されたもの及び国内で製造されたもの両方)――動物実験が変わらず必要
4)海外輸出のみの目的で、国内で製造された一般化粧品――今まで通り、動物実験は必要とされない
5)海外の電子商取引のウェブサイトでの購入により中国に入ってきた化粧品――今まで通り、動物実験は必要とされない

HSIによると、植物のタンパク構造やヒトの皮膚の培養細胞などを利用した「イン・ヴィトロ(試験管内の)」試験や、その他の代替法が中国に導入され始めたのはごく最近のことで、中国の科学者にとって、これらの試験法へのアクセスは限られているという。

HSIは今後、海外から輸入された化粧品の規制も改正されるように働きかけていく。さらに、無作為に行われる市販後の追加試験でも、動物実験が廃止されるように訴える。

HSIの中国政策担当者のピーター・リー博士は、「残酷で信頼性の低い化粧品の動物実験を中国で終わらせるための重要な第一歩。しかし、中国における全ての化粧品の動物実験を終わらせるためには、まだまだやるべきことがたくさんある」とコメントしている。

※1:「一般化粧品」は、メイクアップ、香水、スキンケア、ヘアケアやネイルケア用品を含む
※2:「特殊用途化粧品」は、毛髪染剤、制汗剤、日焼け止め、美白クリーム及び効果効能を謳うその他の製品を含む

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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