NPO法人子ども全国ネット(子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク)は13日、キックオフから3年を迎える節目に「関東の汚染を考える」をテーマとしたイベントを都内で開催した。会場には参加者160人が集まり、関東の汚染状況や給食などの食の安全、各地域の取り組みなどについて議論した。(福島由美子)
子ども全国ネットでは、子どもたちを放射能から守るために活動している全国の団体がゆるやかにつながり、情報交換を行っている。現在約340団体が登録しているが、現在も全国から登録依頼があるという。
■関心が薄い、関東の汚染
イベントの前半では、市民放射能測定所設立や給食の産地表示や測定、被災地からの避難保養や移住支援などを行ってきた市民の取り組みや課題についての発表が行われた。
発表者の一人、国分寺市のこどもみらい測定所の石丸偉丈さんは、他の市民測定所と一緒に、測定した食品6000検体以上のデータを「みんなのデータサイト」にまとめ、検索しやすくしたという。
石丸さんは、「関東の土壌でも普通にセシウムは検出されるし、側溝や木の根元、雨樋の下などで局所的なマイクロホットスポットは今でも見つかっている。今後も調査を続け、データサイトに情報を掲載してく予定」と話した。
こどもみらい測定所は、NGOを支援するNGOのJANIC(ジャニック)とADRA Japan(アドラ・ジャパン)の協力を得て『はかる、知る、くらす。』という冊子を制作し、ネットで申し込めば、希望者に無料で送付する。
群馬からの発表者は、「群馬北部にもホットスポットがある。ウクライナ製のガイガーカウンターを持っていると外は警告音が鳴りっぱなしなのに、農産地であり観光地なので、『心配』ということすら言えない雰囲気だ」と現状を語る。
宇都宮大、群馬大、茨城大は昨年末、北関東3県の住民に対し、共同で放射能汚染に関する意識・行動調査を実施した。群馬大は、県内の保育所・幼稚園などでアンケート用紙を約2000人に配布し、回答率は約7割だった。
その結果、「県内の10市町村が汚染状況重点調査地域に指定されていることを知っているか?」という質問に対し、知らない人が63%、「原発事故子ども・被災者支援法を知っているか?」について、知らない人が81%もいたという。
発表者は、「自分がおかしいな、と思うことを普通に言える勇気を、一人ひとりが持てるようになるといい」と話した。