NPO法人戦略的CSR研究会(東京・世田谷)は10月1日、第一回「障がい者雇用実践セミナー」を開催した。基調講演には、障がい者や引きこもり、ニートなど就労困難者を積極的に雇用するアイエスエフネットグループ渡邉幸義代表が登壇。パネルディスカッションでは「障がい者雇用をどう成功させるか」について議論された。(オルタナ副編集長=吉田広子)
日本政府は今年1月、7年前に国連総会で採択された「障害者権利条約」に批准し、140番目の締約国となった。
同条約は、障がい者に関する初めての国際条約で、政治的権利や教育・労働の権利、余暇活動へのアクセスなど、障がい者の権利実現のための取り組みを締約国に対して求めている。
アイエスエフネットグループは、20大雇用(ユニバーサル就労)を掲げ、障がい者だけでなく、障がい者手帳を持たないボーダーラインの人や、ホームレス、麻薬・アルコール中毒患者など就労に困難を抱える人材を積極的に雇用している。
同社は2000年にIT企業として浅草で創業したが、当時は人が集まらず、社会福祉法人から人を採用したことがきっかけで、障がい者雇用に力を入れるようになった。現在は特例子会社含めグループ全体の従業員数約3000人のところ、約350人が障がい者だ。
■ 企業は「いかに手がかからないか」ばかり
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