「必要なのは『痩せる』ではなく『太らない』という発想の転換である」。そう説くのは、ダイエット指南書『一生太らない生き方』(ぴあ)だ。JICAの食品加工隊員や日本ケロッグ広報室長を経験した井出留美さんが執筆した。(オルタナ編集部=佐藤理来)
本書では、ダイエットに対する意識の向け方に焦点をあてる。冒頭の「『痩せる』ではなく『太らない』を目指す」というのもその一つだ。
栄養学の博士号を持つ井出さんは、適正体重を知ることで、そもそも自分にダイエットが必要なのかを見極めることが重要だとし、安直で効果の薄いダイエット方法に警鐘を鳴らす。
井出さんによれば、女性の8割は痩せる必要もないのに、無理なダイエットにチャレンジしているという。また、「やせなければ」、と思うことは「自分は太っている」という暗示をかけることでもあり、マイナスの暗示はマイナスの現状を肯定しかねない。
井出さんは、「健康的な生活をすれば自然とスリムな体になれる」と主張する。
さらに、本書では、「何を食べるか」よりも「いつ、どう食べるか」が大切だとする「時間栄養学」の考え方も紹介している。ダイエットに対する心構えと食生活を見直していくことで、理想の体型を目指そうという一冊だ。