映画『フタバから遠く離れて 第二部』が11月15日に公開となる。双葉町は原発事故後、唯一、役場機能ごと福島県外へ避難した町。第二部は、井戸川克隆・前町長の辞任や避難所閉鎖、県内への役場移転など激動期を経てもなお故郷には帰れない人々のドキュメンタリーである。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)
同シリーズは、最大約1400人の双葉町民が暮らしていた埼玉県加須市の廃校で2011年春に撮影を開始。第一部は、野田首相の「収束宣言」に仰天した舩橋淳監督が急きょ9か月間の記録をまとめ、2012年に公開した。
そのまま撮影を続け、2014年春までを第二部に凝縮した。地理的にも心理的にも分断されたコミュニティーを維持する難しさを、映画は生々しく描き出している。双葉町民は10月1日現在、4060人が福島県内におり、残り2969人は全国38都道府県に散っている。
舩橋監督は、クラウドファンディングで目標額より120万円も多い約420万円を集め、第二部公開を実現した。「双葉町を含む帰還困難区域の人々を最後まで見届けたい」と話し、既に第三部の撮影を始めている。