日立製作所は12月19日、青森の五所川原農林高校(五所川原市)が生産したリンゴやコメ、みそドーナツなどの社内販売会を情報通信システム事業の拠点の一つ大森ベルポートB館(東京・品川)で行った。日立の社員300人以上が駆け付け、開始からわずか20分で累計約600個が完売。6次産業化に取り組む同校に販売実習の機会を提供するとともに、同社のCSRリテラシーを高める取り組みだ。(オルタナ副編集長=吉田広子)
11時45分に販売が始まると、次々に売れていくリンゴやコメ――。昼休みに入った日立の社員がひっきりなしに押し寄せる。
「すぐに全部売れてしまい、びっくりしている。予想以上の反響だった」。五農高・森林科学科2年の對馬(つしま)祐也さんは、驚きを隠せない。
食品科学科2年の松橋祐芙加さんは、「普段は地元でも販売しているが、都会のオフィスで販売することで、自分たちの商品や活動を改めて深く知ることができた。生産だけでなく、販売にも携わることで、自然とのかかわり、加工する大変さ、それぞれの『現場の苦労』をより実感することができた」と話す。
五所川原市では、五農高が中心となり、農家、行政、大学、企業などが連携し6次産業化を目指す「五所川原6次産業化推進協議会」が設立された。日立は、インフラ技術と高度なITを生かす「社会イノベーション事業」の一環として、五農高を支援している。
例えば、ウェブカメラや気象センサーなどを活用し、作物状況を「見える化」したり、生産者と消費者をつなぐウェブサイトの運営を行ったりしている。
■「青森のリンゴを世界遺産に」