原発事故の影響で、現在も全村避難が続く福島県飯舘村。ここで、村民や地元企業が中心となった地域のための電力会社である「飯舘電力」が設立された。1月23日に、最初の設備となる太陽光発電所の起工式を実施、同26日から工事が始まった。自然エネルギーを活用して、村の復興の原動力となることを目指す。(ノンフィクションライター=高橋真樹)
飯舘電力の第一弾として工事が始まった太陽光発電所は2月末に完成予定で、出力は49.5キロワット(一般家庭約15世帯分)となる。発電した電力は東北電力に売電し、年間の売電収入はおよそ160万円を見込む。その収入は、今後計画する風力発電やバイオマス発電への設備投資などにあてる予定だ。
飯舘電力の社長に就任した、同村出身の小林稔さんはこのように語る。
「いま飯舘に戻っていいと言われても、当分は農業ができない。そこで、仕事を生む産業として自然エネルギーをやろうということになった。大規模な自然エネルギーの事業は行政も手がけているが、あまり大きな設備だと地元の雇用にはつながらない。私たちは復興を目指して村内でお金が回る仕組みを意識しながらやっていきたい」
1 2