自転車を漕ぐとスマートフォンなどのモバイル機器が充電できるという、画期的な商品が日本に上陸する。米国のベンチャー企業、シヴァサイクル(SIVA CYCLE)は昨年、自転車用発電機「アトム(ATOM)」(税込22300円)を発売。発電した電気はリチウムイオン電池に充電し、USBポートから取り出せる。軽量で取付けも簡単だ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■脂肪を燃やして発電できる

アトムは自転車の後輪に取り付けて使用する。スポーツ用自転車で一般的な、脱着に工具を必要としない「クイックリリース式」の車輪であれば、取り付けに2~3分しかかからないという。重さは330グラムで、水しぶきに耐えられる防水性能も備える。
リチウムイオン電池の容量は1.75アンペア時。自転車を約1時間半漕ぐと満充電でき、USBポートを経由してスマホなどを充電できる。ディスクブレーキを装着した自転車は非対応だ。
国内販売元のオルタナティブバイシクルズ(埼玉・鳩ヶ谷)ではウェブサイトで「石油やウラン燃やさずに、体脂肪を燃やして発電しようぜ! ペダルのパワーを、スマホやタブレットのパワーに」と紹介している。
■開発資金はクラウドファンドで

アトムの開発費用はクラウドファンディングサイト「キックスターター」で調達。目標額の8万5千ドルに対して、12万6千ドル以上が集まった。昨年はBBCやニューヨークタイムス、ウォールストリートジャーナルなど、海外の有力メディアでも紹介されている。
従来、自転車用発電機といえば、夜間走行時の灯火用電源として「ダイナモ」が普及している。ところが、ダイナモの電気はそのままモバイル機器用には使えない。アトムが画期的なのは、ペダルを漕ぐ力を、使いやすい形で電気に変換できる点にある。
気になる使用感は。オルタナティブバイシクルズの北澤肯代表によれば「ペダルはそれなりに重くなります。しかし出力がダイナモの約3倍、7.5ワットなので、効率は段違いでしょう」とのことだ。