2030年までに「貧困ゼロ」を――ノーベル平和賞受賞者・ムハマド・ユヌス氏インタビュー

経済学者であり、貧困層向けに小額融資(マイクロファイナンス)を行うグラミン銀行を1983年に設立したムハメド・ユヌス氏。貧困削減のための新しいモデルを提示し、バングラデシュの貧困削減に貢献したことが評価され、2006年にはノーベル平和賞を受賞した。利益の追求ではなく、社会問題の解決を志向する「ソーシャル・ビジネス」について話を聞いた。

聞き手=福井崇人(ソーシャルデザイナー)、写真=亀山ののこ、訳=清水菜保子(ゆずり葉)

グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏
グラミン銀行創設者でノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏

――グラミン銀行は、バングラデシュの農村で、貧困にあえぐ村人に856タカ(27ドル、当時)を貸したことから始まりました。それが今では8千人を超える利用者がいます。マイクロファイナンスは貧困削減にどのような効果がありましたか。

これまで、グラミン銀行の利用者に関する多くの研究が行われてきました。世界銀行と連携し、グラミン銀行を利用する前と、利用してから10年後の変化を追う調査を行いました。

その結果、グラミン銀行の利用者のうち、年間5%の人が貧困から抜け出していることが数値として出てきたのです。

調査では、個人を相対的に見るのでなく、一人の利用者が10年かけてどのように変容してきたのかを、見るようにしています。

■ MDGsを早期に達成

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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