三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)は1月29日、2014年度「ソーシャルビジネス支援プログラム」の最終報告会を行った。同社はNPOなど3団体に対し、資金的支援のほか、仕事のスキルや経験を生かすボランティア「プロボノ」を6カ月間にわたり実施した。参加した社員からは「コンサルティングという仕事を見直すきっかけになった」という声も聞かれた。(オルタナ副編集長=吉田広子)
「『教育支援』はビジネスになりづらく、仕事として受ける機会があまりなかった。学習支援を行うNPOの活動に参加し、問題提起をするだけでなく、実際に現場の動きが分かるのも勉強になった」
こう感想を語るのは、MURC社会システム共創部兼革新創造センターの水野太郎さんだ。水野さんは、教育格差の是正を目指すチャンス・フォー・チルドレン(CFC、兵庫県西宮市)を支援した。
CFCは、学校外の教育を受けることができない児童に対し、利用券(学校外教育バウチャー)を提供することで、平等な教育機会を与えることを目指している。東日本大震災後は、仙台に事務所を構え、被災児童に対して、教育サービスを利用できるクーポンを提供してきた。
CFCでは、経済的困難を抱える家庭の子どもたちの実態調査を行うため、「ソーシャルビジネス支援プログラム」に応募。プロボノチームは調査結果の分析を行い、5月をメドに白書として発表する予定だ。
CFCの今井悠介代表理事は、「なぜこの取り組みが必要なのか。子どもたちのニーズを知ることの意味に改めて気付かされた」と語る。
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