東京・世田谷を通る国道246号線の駒沢―上馬間(約1キロ)で、先週から車道左側に「自転車ナビライン」が設けられた。車道での自転車の通行位置と方向を明示することで、安全な通行を促す。ナビラインをふさぐ路上駐車への対策や、同様の施策の他地域への展開が今後の課題だ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■都内は自転車事故多い
国土交通省東京国道事務所によると、国道利用者が挙げる不満のワースト3は「自動車の交通量が多い」「自転車の交通ルール無視」「自転車レーンがない」。都内は全交通事故中、自転車関連事故が35%を占め、全国平均(約2割)を上回る。また、全国の自転車関連事故の内、約3分の1が都内で発生しているという。
とりわけ246号は、23区内を走る国道10路線の中でも満足度が9位(東京国道事務所調べ)と低い。中でも今回、自転車ナビラインの整備対象となっている駒沢―三軒茶屋間(約2キロ)は交通量が多く、自転車の車道逆走、狭い歩道での歩行者と自転車による混雑などが問題視されてきた。
自転車ナビラインは、車道左側の路面に青い矢羽根のマーク、および自転車のピクトグラムを設置し、自転車が走る位置と方向を明示。バスレーンでの自転車通行空間の確保は、大都市圏で初めてとなる。自転車が安全に走れる空間を確保することで、車道の右側から歩道まで分散している自転車の流れを、車道左側に誘導するのがねらいだ。
■サイクリストが実走評価
自転車ナビラインの供用が始まって翌日の2月28日午後、NPO自転車活用推進研究会(自活研)が主催する実走評価会が行われた。サイクリストを中心に約40人が自転車でナビラインを試走した後、意見交換を行った。
問題点の一つに挙げられたのが路上駐車だ。ナビラインを塞ぐ形で自動車が停まると、自転車は避けるために車道の右側にふくらむ形での通行を強いられる。