「社員をコンサートに行かせよう」パタゴニア創業者から学ぶ[三浦 光仁]

『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論 』(イヴォン・シュイナード、森摂訳、東洋経済新報社)
『社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論 』(イヴォン・シュイナード、森摂訳、東洋経済新報社)

企業を始める時には、企業の存続、永続性などを考えているわけではなく、人の役に立つ素晴らしいモノやサービスを提供することが目的であることが多いはずです。パタゴニアの創業者は何故、「社員をサーフィンに行かせよう」と思ったのでしょう。イヴォン・シュイナードの著書『社員をサーフィンに行かせよう』を読んで共感し、自分の志を再認識することができました。(エムズシステム代表=三浦光仁)

タイトルが気に入って即購入し、読み始めました。その面白いことと言ったら!何が面白いかと言うと、もちろんその達成度や規模にはまだ大きな隔たりがあるものの、かなり当社と近い挑戦をしていることに気が付いたからです。

クライマーであり、サーファーであり、スキーヤー、鍛冶職人でもある創業者、イヴォン・シュイナードが本気で社員をサーフィンに行かせようとしているのはなぜでしょう? 創業者は日本版のはしがきでその秘密を明らかにしています。

(1)責任感 いまからサーフィンに行ってよいか、いつまでに終わらせればよいか、いちいち上司にお伺いを立てるようではいけない。サーフィンに行くことで生じる何かを週末や夜に補って、遅れを取り戻しさえすればよいのです。

(2)効率性 好きなことを思い切りやればはかどる。午後にいい波が来ると思えば、午前に仕事を終わらすことができます。

(3)融通を利かせる いい波はいつ来るか分からない。来週の土曜日の4時から、などというわけには行かない。いい波に乗るためにはフレキシビリティを活かさなければならない。

(4)協調性 お互いにフォローし合う協調性がなければこのシステムは機能しない。お互いが助け合うという信頼関係が根底に必要となる。

(5)真剣なアスリートの確保 アウトドア製品を開発製造・販売しているパタゴニアにとって本物のアスリートを常に確保していたい彼らが惹きつけられる条件は、いつでもスポーツのできる環境の提供だ。

『社員を サーフィンに行かせよう』(イヴォン・シュイナード著、森摂 翻訳、東洋経済新報社)より引用。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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