ネオニコチノイド系農薬の食品残留基準の緩和に反対する署名9235筆が20日、農林水産省に提出された。国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンが15日までに集めた。ネオニコチノイド系農薬のクロチアニジンについて、食品残留濃度を最大で2千倍緩和する新基準の導入に向けた手続きが、農水省の要請で進められている。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■再度のパブコメも緩和反対多数
署名はグリーンピース・ジャパンの佐藤潤一事務局長から農水省側に手渡された。クロチアニジンの基準緩和を巡っては、メーカーの住友化学からの申請を受け、農水省が厚生労働省に見直しを要請。厚労省は一昨年の2013年から見直し手続きを本格化させていた。
厚労省案では、食品1キログラムあたりの残留濃度で、ホウレンソウが3ppmから40ppm(13倍)、カブの葉が0.02ppmから40ppm(2千倍)に引き上げられるなど、軒並み緩和される。
同年秋に実施された国民からの意見募集(パブリックコメント)では、1600件以上の意見のほとんどが基準緩和に反対だった。その後、食品安全委員会が14年10月に同農薬の再評価結果を厚労省に通知。今年1月に再度意見募集が行われたが、総数271件の意見は前回同様、基準緩和への反対が多数を占めた。
■農水省「健康に影響ない」
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