オルタナ40号の表紙は、『プランB』で知られるレスター・ブラウン・米アースポリシー研究所長。今回「オープン・ソーシャル・イノベーション」を特集するにあたり、ブラウンさんに次のコメントを寄せて頂きました。オープン・ソーシャル・イノベーションの重要性と、あるべき姿を強く示唆しています。ブラウンさんは、新著『レスター・ブラウン自伝』(ワールドウォッチジャパン)で、「心身の許すかぎり思考し、発信するのが目標だ」と決意を新たにされています。(オルタナ編集部、協力:ワールドウォッチジャパン代表・織田創樹)
「人類はいま分岐点にきています。ひとつは、『何事も従来通り』といういわば安易な選択肢。それは、地球とそこに生存する全ての生物を破壊してしまいます。私たちは、環境破壊、気候変動、海水面上昇のみならず強大化し発生頻度を増す暴風雨を目の当たりにしています。もう一つの選択肢、つまり『プランB』は、気候変動の緩和、人口増加の抑制、貧困の解消、人類にさまざまな恩恵経済的をもたらしてきた自然システムの修復と保全を意味します。
気候変動の緩和は、炭素の純排出量を2020年までに80%減らすために、自然エネルギーへの速やかな転換が求められています。
これは世界の挑戦です。日本は、原子力発電を徐々に減らし、太陽光、風力、地熱といった自然エネルギーに投資することで世界のリーダーになることができるでしょう。こうした変化は、食料安全保障の観点からも重要です。日本は長きにわたって家族農業を支援してきましたし、今後もそうあるべきでしょう。今こそ、みんなが協力し合い、持続可能な道に向かうことが必要です。プランBはみんなで実現することです」
<原文>
Civilization is at a crossroads. We can choose to stay with business as usual, which will lead to long term devastation of the planet and its inhabitants. We see evidence of this already with climate change and the intensity and frequency of storms as well as sea level rise. The other alternative is Plan B: stabilizing climate, stabilizing population, eradicating poverty, and restoring the economy’s natural support systems. Stabilizing climate includes a rapid shift to renewable sources of energy in order to cut net carbon emissions by no less than 80 percent by 2020.
This is a global challenge, one in which Japan can play a leading role by investing in renewable energy, importantly solar, wind, and geothermal, while phasing out nuclear power. These changes are critical, especially as they will help to maintain food security. Japan has long supported family farming, which should continue. It will take the cooperation of everyone to get the world onto a sustainable path. Plan B is for everyone.