このうちの一枠をオルタナ/一般社団法人グリーン経営者フォーラムがプロデュースし、「地産企消」で「1%の壁」を破ろう--と題したシンポジウムを開いた。
出演いただいたのは、藻谷浩介・日本総研調査部主席研究員、金子美登・NPO法人全国有機農業推進協議会理事長、山本拓己・オクタ社長の3人で、筆者が司会を務めた。
「地産企消」とは新しい造語で、地域で取れた農産物を、企業が買い支えをして、農業を「持続可能」にするという意味だ。単なる金銭支援だけではなく、社員やその家族が田植えや草取りをして、農家と交流し、社員たちにも農業の大変さ、大切さを知ってもらえればさらに良い。
オクタはさいたま市に本社を置く中堅リフォーム業者だが、上記の金子氏が住む下里1区集落(有機農家8軒)で取れるコメ(全量(2-4トン)を提携3原則(①全量買取②即金③再生産可能な価格)で買い上げている。
その価格は1キロ400円で、農協の買取り価格(150円程度)に比べると遥かに条件が良い。それだけでなく、オクタの社員が定期的に下里1区集落を訪れ、農業体験をしたり、里山保全活動を手伝ったりと農家の人たちとの交流を楽しむそうだ。
シンポジウムでこの話が紹介されると、藻谷浩介氏は「この仕組みは、農家にとってリスクを回避するバッファーになる。社員にもグリーンな価値観が生まれ、社会との交流機会が増えるだろう」と高く評価した。
企業が農家を直接支援するケースは確実に増えている。