リコーは2011年から、東日本大震災の復興支援活動として、津波などで汚損した写真を復元し、被災者に返却する「セーブ・ザ・メモリープロジェクト」に取り組んでいる。同社はデジタル技術を駆使して、約40万枚の写真を復元し、約9万枚を持ち主に届けた。今年でプロジェクトが終了するにあたり、写真返却までのノウハウをウェブ上で一般公開した。(オルタナ編集部=辻 陽一郎)
このプロジェクトでは、汚損した写真を回収し、一枚一枚洗浄。デジタル複合機メーカーの技術力を活かし、写真をスキャンし、ウェブ上に保存した。
被災者は、岩手、宮城、福島の5カ所にある写真センターで、顔認証などの最先端技術を駆使し、写真を検索できる。本人と写真が照合すれば、復元された写真が戻ってくる仕組みだ。
このほど公開されたウェブサイトでは、「セーブ・ザ・メモリープロジェクトの全体像」や「技術情報の開示」といったページ上で、活動の記録やソフトウェア、利用ツールまで詳細に記されている。
写真は人々の生きた証として、未来に残っていくもの。同じようなことはあってはならいないことだが、万が一の事態には、このノウハウが広く活用されるだろう。