ネオニコチノイド系農薬の製造企業の一つである住友化学の株式総会が23日午前、同社本社(東京・中央)で開かれた。環境NGOのグリーンピース・ジャパンは、会場前でネオニコチノイド系農薬の製造中止を株主らに呼びかけた。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■ネオニコ、生活の場にも浸透
NGOは「ミツバチと子どもに優しい社会へ」と書かれた横断幕を掲げた。また、会場へ向かう人に「農薬が与える環境や健康へのリスクは容易にメーカーにとってのビジネスリスク、ブランドリスクに転じうる」「ネオニコチノイド(クロチアニジン)の残留基準が大幅に引き上げられたのは住友化学のせいだということを多くの消費者は知っている」などと書かれたチラシを配った。
ネオニコチノイドは、ミツバチなどの花粉媒介生物が世界的に減少する要因の一つに挙げられる。ネオニコチノイドの神経毒性が、子どもの脳や神経の発達に影響を与える可能性を指摘する専門家もいる。
国は5月、ネオニコチノイド系農薬のクロチアニジンについて食品残留基準を緩和したが、農水省に緩和を申請したのが住友化学だった。欧米などではネオニコチノイド系農薬の規制が強化されているが、NGOの佐藤潤一事務局長は「(住友化学が)ネオニコチノイドを新興国に売り込むことも考えられる」と指摘する。
■住友化学社長「適正使用進める」
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