幼稚園で給食に無農薬食材を導入しているかが一目でわかる小冊子「ハッピーランチガイド」が7日に発表された。環境NGOのグリーンピース・ジャパンが、全国8千か所の私立幼稚園を対象にアンケート調査を行い製作した。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■保護者の関心高める目的
アンケートは幼稚園毎の対応について調べるため、私立に対象を絞り、3〜4月にかけて実施。給食で使用する食材に関して、国産・地元産の積極採用、無農薬食材の使用、生産者の把握など9項目を質問し、1037か所から回答を得た。
今回発表されたのは「関東地方版」で、「給食をほぼ全て無農薬食材でまかなう」と答えた幼稚園は331か所中46か所(13.9%)に上った。また、230か所の幼稚園(69.4%)で「将来的に無農薬食材を使用したい」と回答した。小冊子にはこれらの幼稚園の名称が一覧できるよう都県別に掲載されている。
厚生労働省は5月、ネオニコチノイド系農薬のクロチアニジンで食品残留基準を緩和。ネオニコチノイドに関して、子どもの脳や神経の発達に与える影響を懸念する専門家もいる。小冊子では、無農薬食材を導入している保育園や、有機栽培の生産者の声なども紹介している。
7日に都内で行われた会見で、NGOの関根彩子氏は「子どもが幼稚園で口にする食物について、保護者に関心を持ってもらうのが目的。子どもが通う幼稚園が無農薬食材を導入せず、その予定もない場合には、導入するよう園に働きかけてもらえたら」と話す。
小冊子はNGOのウェブサイトからダウンロード可能だ。他地域版も今後、順次発表する予定という。