CSRコンサルティング事業を核とするクレアンは、もともとは能力も意欲もある女性が集う場づくりを目指して創業した経緯がある。ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱したCSVが注目される今、薗田さんに、CSVの視点から「女性が輝く社会づくり」について語ってもらった。
(聞き手=CSRtoday編集長・原田勝広)
原田 クレアンというと環境、CSR、CSVという印象が強いが、「女性」もひとつのキーワードですね。
薗田 はい、学生時代にマスコミでアルバイトをしたり、卒業して広告代理店で働いたりした経験から、当時、まだまだ日本は男性中心社会だということを実感しました。こうしたことから「社会を変えなくては」という思いが募り、能力が高く仕事に対してもやる気のある女性が集まれる場を作ろうとことからクレアンを立ち上げました。だから初めから女性中心の会社でした。
原田 女性の視点から社会にイノベーションを起こすという発想は時代を先取りしていた感があります。内閣府の「暮らしの質」向上検討会の委員を務めているそうですが、そこでも提案されている薗田さんの「CSVコンセプトで考える、女性が輝く社会創りのビジネスアイデア」について説明してください。
薗田 ご存知のようにポーター教授が提唱したCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)は、社会課題の解決と企業の利益、競争力向上を両立させ、社会と企業の両方に価値を生み出すための経営フレームワークです。そのための3つの具体的な方法を提示しています。
すなわち、「社会問題を解決する製品・サービスの提供」「調達から販売、人材管理までのバリューチェーンにおける社会価値創造」「地域の発展支援などビジネス環境整備」の3つです。
これを女性視点から、薗田流にCSVコンセプトを考えてみたのが、女性が輝く社会創りのビジネスアイデアです。
原田 なるほど、驚きました。そういう切り口、応用の手法があるわけですね。女性支援のしなやかなCSVですか。
薗田 そうです。女性特有の社会問題の解決、それから、潜在的女性マーケットをターゲットにした時の持続的成長戦略とでもいいましょうか。3つの方法は「女性特有の社会問題を解決する、女性の感性を生かした製品・サービス」「バリューチェーンで女性の活躍支援につながるような社会的価値創造」「地域の活性化、女性の自立につながるビジネス環境の整備」です。
■女性特有の社会課題にフォーカス