国際協力の啓発活動「なんとかしなきゃ!プロジェクト」メンバーに就任した、女優の広瀬アリスさんが8月19日、フェアトレード(公正貿易)商品の生産現場の視察報告会を行った。7月にフィリピンのNGOなどを訪問した広瀬さんは、「フェアトレードは作る人も買う人もハッピーな仕組み。もっと広めていきたい」と話した。(オルタナ副編集長=吉田広子)
「なんとかしなきゃ!プロジェクト」は2010年、開発途上国が抱える問題を一人ひとりに自分ごと化してもらうことで、世界の困難な状況を変えていきたいという思いで設立された。
実行委員会は、国際協力NGOセンター(JANIC)、国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所で構成され、国際協力に関する情報発信をするなど啓発活動に力を入れている。
■仕事がある素晴らしさを実感
今回、新たに同プロジェクトのメンバーに就任した広瀬さんは、フィリピンでフェアトレード商品の生産現場を視察。「家やごはん、お風呂に布団、日本では当たり前のものがない生活を目の当たりにして、強烈な印象を受けた」と話す。
「生産現場で働くお母さんが共通して話していたのは、『以前は仕事がなくて生活ができなかったが、収入が増えて生活できるようになり希望がわいてきた』ということ。仕事ができることの素晴らしさを感じた」と言う。
広瀬さんは、妹でモデルの広瀬すずさんへの誕生日プレゼントとして、フェアトレードの台本カバーを制作した。
「なんとかしなきゃ!プロジェクト」の総合プロデューサー・福井崇人さんは、「手軽にできる国際協力の一つに、フェアトレード商品を『買うこと』がある。フェアトレード商品を広めるには、買う側の意識はもちろんのこと、デザイン性や質の高い商品を生み出すという生産する側の意識も大切」と言う。
エシカル協会(東京・品川)代表理事の末吉里花さんは、「買い物は、投票と同じ。買うときにその商品の背景にまで思いをはせてほしい」と呼びかけた。
報告会の会場では、フェアトレード商品も販売。会場に訪れたまゆこさん(17)は、フェアトレードのブックカバーと鳥の「あみぐるみ」を購入。「広瀬さんのブログで、初めて『フェアトレード』を知った。こんなに可愛い雑貨を買うことで国際協力できるのは嬉しい」と話した。